なぜ大腸で水素ガスが?
牛乳を飲むとヒトによっては大腸で水素ガスが産生されるのをご存じですか。
牛乳に含まれる乳糖は小腸で消化酵素(ラクターゼ)によって分解されます。この段階でまずカルシウムの消化吸収が促進されます。
注目したいのはつぎのケース。
酵素のはたらきが弱い場合、乳糖は小腸で消化しきれず大腸まで達します。この際腸内フローラに適合する善玉菌が繁茂していると、乳糖を消化し水素ガスが産生されるのです。
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抗酸化ストレス作用を持つ水素ガス
水素ガスはビタミンやポリフェノールなどと同様に抗酸化ストレス作用があるとされています。そのため大腸の粘膜から吸収された水素ガスが血管を通り、活性酸素をやっつけ、動脈硬化や老化、がんの予防に役立つと期待できます。
実際に「水素は活性酸素の一つであるヒドロキシラジカルを消去することで病気の悪化を防いでいると考えられている」(*1)研究報告もあるそうです。
ヒドロキシラジカルとは悪玉活性酸素で「最も酸化力が強い」「糖質やタンパク質や脂質などあらゆる物質と反応する」(*2)ことで知られています。
▲出典:*1 「牛乳と水素と病気の予防」中部大学生命健康科学部 近藤孝晴 *2 Wikipedia
水素ガスの再生を助ける「ミルクde水素」
ただ前述のとおり、牛乳に含まれる乳糖が大腸まで届く保証はありません。また乳糖から水素ガスを産生する腸内細菌を持たないヒトもいる。つまり個人の体質によって牛乳の効果はさまざまだったわけです。
ならば大腸で確実に有用な水素ガスを発生させることはできないのでしょうか。
協同乳業は2017年2月、それを実現する日本初の乳飲料「ミルクde水素」を発表しました。慶應義塾大学医学部坪田一男教授と共同で
“誰でも、長時間、たくさんの”水素ガスを産生する研究に取り組み、
「ガラクトオリゴ糖」、「マルチトール」、「グルコマンナン」を組み合わせることで、90%以上の方の腸内フローラで水素ガス濃度の増加を確認
▲出典:PRTIMES
とのこと。
水素ガスを体内で生み出し、健康やアンチエイジングに活かす、新しい食生活の習慣が始まりそうですよ。